実香は鉄道会社が経営する観光バス会社の新人ガイド。新聞会社のツァー添乗員である政浩が出会ったのは湯河原温泉添乗の時、実香がはじめて単独でガイドとして乗務した時であった。
新人ガイドの初乗務にアサインされたコースは、温泉に宿泊し熱海梅園に立ち寄るだけの簡単なコース。宿泊ホテルも洋室タイプのもので、正浩もほとんど仕事が無い楽なコース。
16時30分ごろホテルに到着すると
バスドライバーとガイドとで簡単な打ち合わせを済ませると基本添乗員は翌朝までクルーと顔を合わせない。
政浩は夕食の立ち合いを終え20時ごろ客室へ入った。
お客たちは宴会終了後、しばらく部屋でくつろいでいるので、この時間温泉に入れば顔を合わせる可能性もほとんどない、添乗員にとってのくつろぎタイムであり、部屋で24時ごろまでTVを見た後就寝した。
熟睡しかかったころ客室の
電話が鳴った。
聞き覚えのある若い女性、
ガイドの実香だった。
部屋に至急来てほしい
部屋へ入ると実香が立ちすくんでいる。
どうしたのと質問すると
ホテルのフロントの男が
マスターキィを使って
実香の部屋へ侵入。
眠っていた実香は胸元が
なんだがむず痒い、
目をさますとフロントの男が
眼前に迫ってくる。
実香は受話器を取り
政浩を呼んだ。
政浩はこんな経験過去になく
戸惑ったが、ホテル支配人を呼び
侵入者に厳重注意。
実香が少し落ち着き
ベッドへ入るのを見届け
26時頃自室へ戻った。
翌朝支配人より、お詫びと共に
その男を即日解雇したと
報告を受けた。
朝9時が出発、通常バスへ向かうのは出発20分前だが、実香が気になり30分前にバスに向かった。
ドライバーと実香と挨拶を交わす。『昨日はありがとうございました』と政浩に声がかけられるとドライバーから何かあったの?と質問を受けるが、実香は『いいえ別に』とつれなく返事をして、政浩にウインクしてきた。
実香はぽっちゃり型で、
美人ではないが
どこか、かわいらしい雰囲気の
少女らしさが残る女の子。
髪型は当時大人気の
女性アイドルと同じ
政浩の好みではなかったが、
未練が残った。
なぜドライバーでなく俺を頼ったのかも
確認したかったが、政浩は晩生。
でも今回は勇気を振り絞り実香に
何かあったら連絡してと伝え
電話番号のメモを渡した。
今回はここで終了です。
FemaleIN昭和③
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